家族葬とはどのような葬儀なのか?メリット・デメリットや特徴を解説

家族葬とは

家族葬とは故人の家族や親しかった人が中心となって故人を見送る、最近増加傾向にある葬儀形態の総称で、遺族が葬儀に招待する参列者を選び、少人数で執り行うことでゆっくりお別れができます。
「家族」葬という呼称なので故人の家族だけが参列して執り行う葬儀と言う印象がありますが、故人と同居していた遺族の他の親族や、親しい友人も招待できる葬儀です。
ただしどこまでの範囲で何人の参列者を招待するかという定義に明確な条件は無く、招待する参列者の選定は生前の故人や遺族親族などの関係性によって様々になります。

葬儀内容としては、宗教者を呼んで従来の宗教手順に則って葬儀を進行する方法と、最近では葬儀も多様化の影響を受けて、宗教者を呼ばず宗教手順に則らない「無宗教葬形式」の家族葬に大別されるようになりました。
本的に家族葬の流れや内容は一般的な葬儀と同様で、初日に通夜を二日目に葬儀告別式を行うこと、一日葬と区別することから、最近では「二日葬」とも呼ばれています。

(参考)公正取引委員会の家族葬の定義

参考までに「(平成29年3月22日)葬儀の取引に関する実態調査報告書(本文)」から引用すると
(1)親族や親しい友人など親しい関係者のみが出席して執り行う葬儀。
(2)通夜・告別式,火葬等は一般葬と同様に執り行われる。
(3)参列者50名未満の葬儀を家族葬と定義。
(以上、引用終わり)
と、三種類の条件を満たした葬儀を家族葬としていますが、実際の家族葬はもう少し狭い範囲・少ない参列者数で執り行われることがほとんどです。

一般葬・一日葬と家族葬の違い

一般葬は、参列者を選んで招待する家族葬とは違い、参列者の範囲も参列人数も制限が無い為、隣近所の住人や何十年も会っていない旧友など、広範囲の人が参列が可能です。
ですので葬儀に招待されずとも、故人の葬儀が執り行われることを知った人が葬儀に参列することも可能です。
一日葬は通夜無し一般葬に相当するので、参列者と参列人数に制限は無いのですが、通夜が無いので葬儀告別式と火葬を一日で終わらせます。別の言い方をすれば「日数短縮一般葬」になるでしょう。

家族葬が増えている理由

最近増えている家族葬ですが、数多くの葬儀で選ばれるようになった理由をいくつかの項目に分けて明確化してみました。

価値観の変化

時代の流れや少子高齢化に伴い価値観が変化することで、隣近所の付き合いや親戚縁者などの地縁血縁が希薄化して高齢化が進み、葬儀に招待する人が少なくなっていることが挙げられます。
またこれまでの画一的な葬儀に対する価値観が変化し、葬儀にも多様性が尊重されるようになったことも関係していると思われます。

ゆっくりと気楽に最期のお別れができる

故人の知人であれば誰でも呼べるので参列者が大人数になり、対応や接待に忙殺されてしまう一般葬とは違い、参列者を生前の故人と深い関わりを持つ人達だけに絞ることで最後の時間をゆっくり過ごせることです。
見知って付き合いが続いている身内だけで葬儀をするのであれば、見知らぬ一般参列者に気を使うことも無く、気楽に葬儀に臨めることも、家族葬が選ばれる理由です。

葬儀費用が抑えられる

参列者を家族側が選び招待することで人数を抑えられるので、少数で葬儀を執り行うことができ、返礼品費用や飲食費用の節約や開催場所を小規模にできることで、葬儀全体の費用が削減できます。

家族葬の範囲

家族葬の参列者の範囲に明確な決まりは無く、故人と同居していた遺族以外にも、故人の遺族、故人と親しかった知人友人を葬儀に招待できます。
言い換えれば参列者の範囲は曖昧なので、家族葬で一番難しい問題になるのが参列者の選択です。
故人の逝去を知ったのに葬儀に呼ばれていない人から批判を受けたり文句を言われたりすることもあり得るので、葬儀後の付き合いなどにも配慮したしっかりした範囲決めは必須です。

パッケージ商品は5名~30名を想定

家族葬は少数の参列者を招待して小規模で執り行うという前提がありますが、実際は葬儀に招待する人の範囲も人数も決まりが無く、最小で一人、多くても30名前後が実際の家族葬の参列者数になるでしょう。
よくある葬儀会社の家族葬パッケージプランでは参列者5名~30名を想定した商品が多く販売されています。

1~4名の場合

参列者一人だけの家族葬もあり、多くは故人の配偶者か故人の子供で、参列者が二人~四人の場合は故人の配偶者と子供だけという構成が多いようです。

5~10名前後の場合

5~10名の家族葬では、主な参列者は故人と同居していた遺族(故人と一緒に生活していた配偶者・子・父母・孫・兄弟姉妹・祖父母などの家族)だけになることが多く
例を挙げると故人と一緒に生活していた
・故人の配偶者
・故人の子
・故人の子の配偶者
・故人の兄弟姉妹
・孫
などです。
この場合は故人に近い身内だけが参列することで一般参列者はいない葬儀となり、一般参列者への対応や接待に忙殺されることが無く、気楽にゆっくりと故人を見送ることができます。
家族だけで故人を見送るという、家族葬の本来の意味や目的を叶えることができるでしょう。

11~20名前後の場合

参列者が11~20名前後の家族葬になると生活を一にしていた遺族の参列以外に、遺族以外の親戚である親族、が招待されることが多いでしょう。先の5~10名前後の参列者に加えて
・故人の兄弟姉妹の配偶者とその家族
・故人の従姉弟
などが参列者になります。
この人数になると縁遠い親戚は招待せず
・故人が生前親しかった人物
・故人が非常にお世話になった人物
などを招待することもあり、一般参列者や滅多に会わない親戚への接待が必要になるかもしれません。

21~30名前後の場合

先に書いた11~20名前後の場合の、親戚縁者のほとんどと、故人が世話になったあるいは親しくしていた人物を招待してさらに
・故人の仕事関係の人物
・故人の趣味仲間
なども招待するのではないでしょうか。
この人数と参列者の構成になると一般参列者がかなり多くなるので家族葬の目的とは大分違った方向の葬儀になり、遺族は一般参列者への対応などに時間を割く必要があります。
故人とゆっくり気楽にお別れをするという家族葬本来の目的とは大分離れた感じの葬儀内容になるかもしれません。

30名を超える場合

家族葬に明確な定義はありませんが、よく言われる基準めいたものが「参列者は二親等以内」「参列者上限は30人程度」という二項目です。
30名を超える家族葬は、
・六親等以内の血族と三親等以内の姻族のうちできる範囲まで
・故人が生前お世話になった方以外にも、故人が最後に会いたいと推察されるされる方々
など、かなり拡大された範囲の参列者を招待することでしょう。
30名を超える家族葬は恐らく縁遠い親族や一般参列者が近しい遺族親族の人数を超えるので、それら参列者の接待や対応などで忙殺され、一般葬と大差ない葬儀になることも考えられます。
一般葬と区別する家族葬の明確な定義に「家族葬は招待された人だけが参列する」という条件があるので、実質的に一般葬と変わらない状況でも、最低条件としては家族葬の体面を保っている葬儀になるでしょう。

上記以外の参列者の範囲と絞り方

家族葬は基本的に近しい身内などを選べる葬儀ではありますが、親戚縁者とか故人がお世話になった人などの区別が難しい場合の選定方法の一例を挙げておきます。

故人の遺志や遺言から選ぶ

故人が生前に葬儀や参列者などについて言及していたか思い出してみましょう。また、葬儀の参列者について故人の遺言がある場合は、特段の事情が無い限り故人の想いを叶えてあげましょう。

今後の付き合いを考えて絞る

A.故人の逝去と葬儀の場所日程を知らせる人
B.今後の付き合いもあるので他界直後に故人の逝去は知らせるが、葬儀に招待せず、葬儀の日時場所も教えない人
C.四十九日の後にはがきなどで故人の逝去を知らせる人
に分けると良いかしれません。

予算から逆算する

葬儀社との細かい打ち合わせが必要になりますが、葬儀全体の予算から葬儀のパッケージ費用と宗教者費用を差し引いた残額を大まかな接待飲食費用とします。
この接待飲食費用を
・通夜振舞いの飲食費
・精進落としの飲食費
・返礼品費
に分類して一人当たりの予算単価で割れば招待できる人数が割り出せます。
これは、香典を受け取る・辞退する、通夜振舞いや精進落としをする・しない、によっても変わるので、まずは大まかな葬儀の流れの設定を葬儀社と打ち合わせしながら決めると確実です。

招待した人には口止めを

先に少し触れましたが、家族葬は限られた(少ない)参列者だけで執り行う葬儀なので、葬儀に招待していない人が突然会葬に訪れることがあってはなりません。
ですので、家族葬の日時場所を教えた招待者には必ず他者へ口外しないよう、お願いしておく必要があります。

喪主の選び方

喪主は葬儀の主催者で葬儀費用を支払う人を「施主」と言いますが、現在では喪主が施主も兼ねているので、喪主と施主の明確な区分けが必要な場合以外は葬儀の主催者兼費用の支払い者を喪主と呼称します。
また喪主は葬儀の責任者でもある為、できれば葬儀社と葬儀内容の打ち合わせを始める前までには決めておくと良いでしょう。どんなに遅くとも通夜が始まる前までには喪主を決定しておく必要があります。
喪主の決め方に法的な根拠はありませんが、参考になる例を挙げておきます。

1.故人の生前の意向や遺言に従う

故人が自分の葬儀の喪主について生前に言い残していた、あるいは遺言書に具体的な人物の指名などがあればそれに従い喪主を選定します。
故人の、喪主ついての遺言などが無い場合は、以下の慣習が喪主を選の役に立つかもしれません。

2.故人の配偶者

故人の配偶者が健在で健康であれば、喪主として優先される人物になるでしょう。
現在の喪主は施主も兼ねますがもし故人の配偶者が施主も兼ねることに不安があるようでしたら純粋に喪主だけを務めて、施主の部分は子に任すなどの分担をすると良いかもしれません。

3.故人の子

故人の配偶者がすでに他界している場合や配偶者が健在でも喪主を務めるには負担が大きいなどの場合は、故人の子が喪主を務めます。

4.故人の親

故人に配偶者も子供も無く故人の親が健在である場合、故人の親のうち一人が喪主になる場合もあります。

5.故人の兄弟姉妹

上記1~4のいずれにも該当しない場合は、ある意味で最終的な血縁の喪主として故人の兄弟姉妹のうち一人が喪主となります。

6.遺族親族以外

故人に配偶者が無く他の縁者も見当たらない場合は故人の知人友人などが喪主になることもあり、それでも喪主が見つからない場合は喪主代表として故人の後見人や住職にいらいすることもあります。

喪主は断ってもいい

周囲から喪主に推されたとしても、体調や精神状態にもよりますし、もし遺族親族が知らない秘密として生前の故人との関係が悪かったのであれば喪主を引き受ける気にはなれないでしょう。
また遺族親族との関係などから断固として喪主を引き受けられない場合もあると思います。
推挙されても喪主を引き受けられない場合は、理由を手短に伝えて辞退するのが賢明です。ただし辞退の理由について守るべき秘密を守り、故人や親族に対する配慮ある言葉にすることが必要です。

家族葬の流れ:逝去~通夜編

逝去・搬送から葬儀社の決定、葬儀第一日目の納棺、通夜、通夜振舞いまでを解説します。

1.逝去・遺体の搬送

現在は入院中の死亡が八割を超えるそうです。病院で他界した遺体は霊安室に運ばれるのですが、霊安室を利用できる時間は例えば最長で3時間の制限があるなど、非常に短い時間に制限されます。
とは言え法律で死亡後24時間以内の火葬は禁じられています。そこで取り急ぎ遺族が行わなければならいなことが、死亡診断書の受け取りの他に
・近親の親族に故人の他界を伝える
・遺体の搬送業者の決定
・遺体の搬送先の決定
です。
後述しますが、遺体の搬送先は「自宅」「葬儀社や斎場の安置施設」「民営の安置施設(遺体ホテル)」の三種から選ぶことになるでしょう。
先に、遺体の搬送業者の決め方はだいたい二通りです。

既に契約していた葬儀社

契約済みの葬儀社であれば、故人が他界したことを伝えればすぐに遺体搬送の対応してくれるでしょう。

緊急的に依頼・病院紹介の葬儀社

ネットなどから緊急的に葬儀社に遺体の搬送依頼をしても、病院から紹介された葬儀社に依頼しても、すぐに遺体搬送に取り掛かってくれます。
ですが遺体を搬送した葬儀社にそのまま葬儀を依頼したとしても、遺族の望む内容や予算で葬儀を叶えてくれるとは限りませんので、他の葬儀社からも葬儀内容の相談をしたり見積もりを取ることは必須です。
遺体搬中から遺体搬送後に葬儀依頼の話が出てくるかもしれませんので、まずは自宅までか民営の遺体安置施設への搬送を依頼でいったん止めて、複数社の葬儀社を比較する機会を作りましょう。

深夜早朝の死亡も普通にあることなので、上記二種類のいずれの場合でも、深夜早朝の依頼に不快を示す葬儀社はいないでしょう。遺体の搬送は365日24時間いつでも申し込みをしても大丈夫です。

自家用車での搬送は難しい

また、死亡診断書を持っている遺族が自分の車で遺体を搬送することは法律違反ではありません。
ですが、遺体を座席に座らせて運ぶことは遺体の固定が難しく、振動で遺体が倒れて損壊したり、遺体のあらゆる穴から様々な液体などが出てくる可能性もあるので、やはり専門業者に任せるのが望ましくなります。

2.葬儀社決め・打ち合わせ・参列者の招待

「葬儀会社の態度がどうしても合わない」「家族葬パッケージは安価に見えたが、不足している物を付けたら高額になった」「葬儀社の意向と遺族の意向に大きな違いがある」と言う事態は避けたいものです。
このようなことを防ぐためにも、葬儀業社は必ず複数社を比較しましょう。
さらに言えば、喪主だけが葬儀社との打ち合わせをすると他の遺族が納得できない金額や内容になることもあるので、最低でも喪主と誰か遺族が一人以上と、遺族側は二人以上で葬儀の打ち合わせに臨むのが理想です。
少々嫌味になりますが、遺族にとっては故人を弔う儀式の打ち合わせのつもりでも、葬儀社にとっては日常的に何度もある「商談」の場であることも意識しておけば、不要に高価な葬儀になることは無いでしょう。

斎場の葬儀会場と火葬場の予約は葬儀社が代行することで通夜・葬儀告別式と火葬の日時場所が確定するので、家族葬に招待する人への連絡は、葬儀社との契約締結後になります。
付き合いのある菩提寺があれば、葬儀社との相談と同時に宗教者との相談も必要です。通夜や葬儀での読経を依頼し、故人の戒名も相談しましょう。

3.安置・枕飾り

安置の意味は遺体のみならず神仏などを「ある場所に据え置く」という意味がありますが、日本では死後24時間以上経過した後に火葬をすることが義務付けられているので、その間に遺体を「安置」する必要があります。
例として仏式であれば、葬儀社が用意する敷布団と掛け布団をを使い北枕か西枕にしますが、枕は使いません。最近では自宅安置の場合、ベッドに安置することもあります。

自宅安置

病院で他界した場合と老人施設で死亡した場合も、思い入れがあり住み慣れた自宅に戻してあげたいという想いから遺体の搬送先は自宅が多いのだそうです。
自宅安置の場合はドライアイスで遺体の状態を保持し、ずっと遺体の近くにいることができるので、通夜前の納棺が始まるまで故人とゆっくり過ごすことができます。
ただし、集合住宅や賃貸住宅などの場合、階段や廊下を通って運べなかったり、エレベーターにストレッチャー(担架)を入れられないなど、侵入経路が確保できないこともあるので事前の確認が必要です。

葬儀社、葬儀場や斎場の安置室

自宅がマンションやアパートで遺体の搬送できない場合や難しい場合、病院から葬儀場や斎場の安置室に直行で搬送して遺体を預ける、「預かり安置」を選ぶことができます。
また、火葬場の混雑で火葬日までかなりの日数を要する場合に、火葬場を使える日までの間、衛生的に故人を安置することができます。病院から斎場などの安置施設に直行するので通夜日の遺体の移動は少なくなります。
預かり安置は
・故人と面会「できない」預かり安置
・故人と面会「できる」預かり安置
・宿泊して遺体の付き添いができる「付き添い安置」
の三種類です。
遺族親族などが故人と面会できる場合は、面会時間が決まっているので基本的に寝ずの番や長時間の付き添いはできませんが、部屋によっては別途料金を支払うことで付き添い安置が可能になることもあります。
遺体専用冷蔵庫での保管の場合は面会も付き添いもできません。葬儀社の安い家族葬パッケージプランの場合は、自宅安置か遺体用冷蔵庫での預かりの二択になっていることがあります。

民営の安置施設

別名「遺体ホテル」とも言い、住宅事情で故人を自宅に迎えられない場合や火葬日がかなり先になった場合などの利用、故人を衛生的に保存する目的もありますが、葬儀社が決まっていない場合の遺体保管先として有用です。
病院で容体が急変して他界したり自宅で突然亡くなった場合は葬儀社を決めていないことも多く、例えば病院から紹介された葬儀社が遺族の意向に合う葬儀社とは限りません。
(このブログの管理人は、病院から紹介された葬儀業者の態度の悪さに立腹し、親の遺体の搬送料金を支払って追い返し、実際の葬儀は地元の葬儀社に依頼したことがあります。)
民営の安置施設は緊急的な利用も有用ですが、まずは遺体の安置場所を確保して、複数の葬儀社から話を聞いたり見積もりを取る時間を作るために利用することにも、効果的なのです。
自宅に葬儀業者が入るのを避けたい場合や、近所に故人の逝去を知られたくない場合にも便利に使うことができるという面もあります。また、24時間営業で遺体との面会使時間が自由な場合もあります。

枕飾りとは

枕飾りは故人が他界し自宅や安置施設に到着してから棺に入れるまでの間(安置している間)遺体の枕元や側に置かれる小さい祭壇と祭壇の上に置かれる(飾られる)物一式を総称したものです。
基本的には、白木台、一膳飯、枕団子、燭台と蝋燭一対、香炉、線香、鈴(りん)、水、花瓶と花または植物、を揃えて枕飾り一式になります。
この枕飾り一式は家族葬プランに含まれていて葬儀社が全て用意してくれるので、遺族側が用意する物は自宅安置をした場合の一膳飯だけでしょう。

4.納棺(と副葬品)

通夜日の通夜前に、安置されている遺体を棺に移す際の儀式が納棺で、納棺に立ち会う人は原則として故人の配偶者・子供・孫などのごく限られた近親者です。
遺体を清めてあの世に旅立つ支度をするという意味があり、故人との思い出の品などを副葬品として棺に納めます。
本来は遺族が行う儀式ですが、最近は葬儀社の社員や納棺師という専門の担当者が遺族に代わって大部分を行い、遺族は遺体を棺に入れるときに遺体に手を添えるだけ、と変化してきました。

末期の水を取る

「まつごのみず」と読みます。割り箸の先に括り付けたガーゼを水に浸し故人の唇を湿らせます。末期の水は故人の喉が渇いて苦しまないようにという願いを込めた儀式です。

湯灌

「ゆかん」と読み、故人の体を清めるこで穢れや煩悩を洗い落とすという意味があり、主流は拭き湯灌で、遺族が故人の顔・手・足の順番で拭き清めていきます。
故人の全身を洗う洗体湯灌は、湯灌用の浴槽を安置された部屋に持ち込むか湯灌用の施設を使いますが、最近では湯灌自体が家族葬プランに含まれていないので、拭き湯灌をする場合は別途数万円、洗体湯灌は別途8万円などの料金になるでしょう。

死化粧

「しにげしょう」は時間と共に傷んでいく故人の顔を生前のような姿に整えることで、安らかな旅立ちになるようにという意味があり、男性は髭を剃り、女性の場合は薄い化粧を施します。

死装束

葬儀会社が用意する、白一色で統一された旅立ちの為の和服を故人に着せます。最近では故人が生前に好んで来ていた服を着せることもあります。

故人を棺に納める

死に装束が終わると遺体を棺に納めて布団を掛けます。遺族が故人の頭や胴、足等を持って遺体が傷付かないようにそっと棺の中に納めます。神谷氏に装束が乱れたら丁寧に直しましょう。
最近は葬儀社の社員が棺に納めるようになりました。その場合は、なるべく多くの遺族が棺に移る故人に手を添えてあげます。

副葬品

あの世へ旅立つ故人へ手向ける品で、棺に故人と一緒に納めて火葬する品でもあります。よくあるのが、花、故人への手紙や寄せ書き、故人のお気に入りの服や着物、故人が好きだった飲食物です。
他に故人が希望していた物や故人が大切にしていた物なども副葬品にすることがあります。
ただし副葬品として棺に入れて良い物は「火葬炉の中で燃やしても良い物」に限られ、例えば故人が大切にしていたカーボン製の釣り竿やゴルフクラブ、指輪、入れ歯、眼鏡、腕時計などは燃やせません。
スイカやメロンなどの食品なら大丈夫と思われがちですが、水分が多いので火葬炉の中で爆発する可能性と、水分で遺体が燃え残る可能性があるので副葬品としては不適格になります。

副葬品を入れると棺の蓋が閉じられ、葬儀会場に送られます。

納棺を始める時間

納棺は安置されていた故人を棺に入れて葬儀場へ送り出すという意味もあるので、多くは通夜当日の通夜の前に行われます。納棺の儀式全体の時間は内容にもより様々ですが30分~2時間程度となるでしょう。
地域によって異なりますが、通夜が始まる時刻は18~19時なので、納棺の儀は14~15時頃に開始することが理想的です。

5.通夜と通夜振舞い

故人と最後の夜を過ごすという意味があり、本来の通夜は夜通し眠らず線香を絶やすことなく夜を徹して行われていました(本通夜)が、現在では夕方から夜に始まって数時間で終了するという内容が主流です。

通夜の大まかな流れとしては

家族葬・仏教形式の通夜 例

00.遺族到着・葬儀社と打ち合わせ
01.参列者の受付
02.遺族親族一同着席・参列者着席
03.僧侶入場
04.読経開始
05.遺族親族焼香
06.参列者焼香
07.読経終了・僧侶退場
08.喪主の挨拶
09.通夜終了

家族葬・無宗教形式の通夜 例

00.遺族到着・葬儀社と打ち合わせ
01.参列者受付
02.遺族親族一同着席・参列者着席
03.開式の辞
04.故人の紹介
05.黙祷
06.献奏
07.感謝の言葉
08.献花
09.閉式の辞
10.通夜終了

このような順番で通夜が進行します。

通夜振舞いは別室で行われる会食で、故人を偲ぶと共に遺族が僧侶や参列者に感謝を表す場でもありますが、最近は通夜振舞いをしない家族葬も増えています。
遺族は招待する側なので部屋の末席側で喪主は入口に一番近い末席に座ります。

家族葬・通夜振舞い進行例

01.通夜振舞い開会挨拶
02.会食開始
03.(会食中は遺族が参列者に挨拶や酌をして回ります。)
04.閉会挨拶

通夜振舞いは約1~2時間程で閉会するのが一般的です。

家族葬の流れ:葬儀告別式・火葬

葬儀二日目にして最終日は、葬儀告別式、火葬と骨上げ、初七日と精進落としがあり、帰宅後は後飾りに遺骨を飾ります。

1.葬儀・告別式

よく葬儀告別式と書かれたりしますが、実際は宗教的儀式である葬儀と社会的儀式の告別式が連続して一体化している状態を指しています。
無宗教形式の場合は葬儀が無いので告別式のみを執り行います。

家族葬・仏教形式の葬儀・告別式 例

00.遺族到着・葬儀社と打ち合わせ
01.参列者受付
02.遺族親族一同着席・参列者着席
03.僧侶入場
04.葬儀開式
05.読経・引導
06.焼香(遺族・親族)
遺族親族の焼香が終了すると葬儀終了となり、告別式開始が案内されて一般参列者の焼香が開始されます。
07.焼香(一般参列者)
08.僧侶退場
09.弔電
10.喪主挨拶
11.閉式・出棺

家族葬・無宗教形式の告別式 例

00.遺族到着・葬儀社と打ち合わせ
01.参列者受付
02.遺族親族一同着席・参列者着席
03.開式の辞
04.経歴紹介
05.黙祷
06.献奏
07.弔電
08.感謝の言葉
09.献花
10.お別れ
11.閉式・出棺

2.出棺

出棺は故人を火葬場に送り届ける儀式で、告別式が閉式したときに祭壇の前に置かれていた棺を葬儀会場の中央に移して蓋を開けます。

別れ花・花入れ

ここで「別れ花」または「花入れ」という儀式があり、喪主、故人の親兄弟姉妹、故人の子、親族、友人知人という故人に近い順から、故人の顔の周りから始めて最終的には体を覆うように生花を入れていきます。
この時にも故人が愛用していた物や知人友人からの寄せ書きなどの副葬品を入れることがあるのですが、火葬炉内で燃やしても良い物に限るということは忘れないでおきましょう。

釘打ち

別れ花が終わると棺に蓋をし遺族親族が蓋を釘で打ち付けるのが「釘打ち」ですが、最近は釘打ちをしないことが普通になり、やるとしても葬儀社の人が代行するようになりました。

出棺

棺を霊柩車に運び入れるのですが、遺体と副葬品、大量の生花が入った棺はなり重くなっているので、遺族親族の男性を中心に6~8名で棺を持ち、故人の足側を先頭にして霊柩車まで移動します。
霊柩車には棺を足側から入れるのですが、移動も霊柩車に入れるときも「足側から」にこだわる理由は、故人が家に帰ってくることが無いようにという意味です。
この時喪主が遺影を、近しい遺族が位牌を持って霊柩車まで移動し、喪主が会葬のお礼を簡潔に述べます。

乗車して出発

火葬場に行くのは葬儀告別式に出席した人の中で、特に故人と縁の深い人に限られます。各車両に乗る人には決まりがあり
・霊柩車(の助手席):喪主
・ハイヤー:遺族と僧侶
・マイクロバス:親族や故人の友人等
と乗り分けをし、霊柩車がクラクションを一回鳴らした後に一台ずつ火葬場に向けて出発します。

3.火葬と骨上げ

火葬とは故人の遺体を焼却することで、燃え残った遺骨を箸で拾って骨壺に集める儀式は「骨上げ」です。
日本においては死亡時刻から24時間以内の火葬は法律により禁じられているので、病院から遺体を引き取ってすぐに火葬をすることはできません。
また、火葬をするためには「火葬許可申請書」が必要ですが、家族葬プランに葬儀に関する役所への各種手続き代行が含まれている場合は、葬儀社が火葬許可申請書を揃えてくれます。

納めの儀

故人・遺族・会葬者が火葬場に到着し、火葬場の係員が棺を火葬炉前に運び、線香台が用意され棺と一緒に一時的に安置されます。
僧侶の読経と共に、喪主、遺族親族、故人の友人等の順番で焼香し合掌をするのが「納めの儀」です。
納めの儀で最後のお別れをすると棺が火葬炉へ入れられ、火葬が終わる1~2時間の間は火葬場にある控室での待機となり、軽食などを食べながら遺族が会葬者を歓待する場とします。

骨上げ

火葬が終了すると控室に連絡が入るので収骨室に集まると、遺骨が乗った骨上げ台が運び出され、二人一組で一つの骨を竹箸で一緒に挟んで拾い骨壺に納める(収骨)をするのが「骨上げ」です。
骨を拾う順番としては、最初が喪主で、次から遺族友人と故人と縁の深い順で拾い上げていき、拾う部位の順番は故人の足から頭の方に移動していき、故人と一番縁深い人が喉仏を拾います。
全ての遺骨が骨壺に収められると骨壺を白木の骨箱に入れて、さらに骨覆いと言う白い布で包むと骨上げの終了です。

この後は葬儀告別式をした斎場に戻り、初七日法要と精進落としを行います。

4.初七日法要と精進落とし

初七日法要は故人が他界した日から数え(0日が無い、死亡当日を1日と数える)で七日目に行う法要ですが、現在では葬儀告別式に来てくれた方々に後日再び集まってもらうのは難しいでしょう。
そこで初七日法要も変化し
1.繰り上げ初七日法要(火葬場から戻って行う)
2.繰り込み初七日法要(火葬場に移動する前、告別式終了直後に斎場内会場で行う)
3.命日を含んだ七日後に再び集まって行う本来の初七日法要
の三種類に増えました。家族葬でもよくある形が「繰り上げ」初七日法要です。

繰り上げ初七日法要の進行例は
01.僧侶入場
02.法要開始の喪主挨拶
03.読経・焼香
04.僧侶退場
05.法要終了の喪主挨拶
のような順番です。

精進落とし

精進落としは四十九日の忌明けに食べる料理でしたが、今では火葬骨上げ後に遺族が僧侶や会葬者へのお礼として振る舞う食事会です、通夜振舞いとは違って懐石料理など一人ずつ食べられる豪華な食事を選びます。
位牌・遺骨・遺影を飾り、影膳(かげぜん)と故人の好きな飲み物を置き、僧侶が最上の上座、次が故人の知人友人と続き、遺族は末席側で喪主は出入り口に一番近い下座の席順です。

精進落としの進行例は
01.精進落し開始の挨拶
02.献杯の発声
03.食事開始(遺族は酌やお礼の言葉を掛けながら会葬者を回ります。)
~ 一時間程の食事時間 ~
04.精進落し終了の挨拶
となります。

家族葬全体が終了し、各々帰途に着きます。

最近の家族葬は葬儀の簡略化や葬儀費用の削減で初七日法要も精進落としも行わないこともあるようです。

5.後飾り

後飾りとは火葬場から自宅に帰って来た遺骨や白木位牌を四十九日まで安置する簡易的な祭壇で、火葬場から帰宅して設置するか、遺骨をすぐに祭壇に置けるよう、火葬に立ち会わなかった遺族が設置しておきます。
仏式の後飾りは二または三段の祭壇を白い布で覆い、遺影・遺骨・仏具などを飾ることが一般的です。家族葬プランに後飾りの貸し出しが含まれていたり、最近では段ボール後飾りを通販で入手することもできます。

よくある仏式の例
上段:遺影・遺骨
中断:中央に白木位牌
下段:線香立てと線香・蝋燭立てと蝋燭・香炉と灰・一輪挿し・鈴・湯呑・中仏器 など

四十九日が過ぎると後飾りの役目が終わります。後飾りの処分に当たってはお清めをする必要は無く、陶器類など不燃物とその他の可燃物に分別して処分できますし、そのまま飾っても後の為に保管しても構いません。
ただし気持ちとしては使わないからと言って機械的に捨てるというのは気が引けて、処分に困ることもあるでしょう。家族葬プランに含まれている後飾りであれば葬儀に依頼すれば回収してくれます。

香典を辞退する場合

家族葬で香典を辞退することは珍しくありません。故人の遺志による香典辞退もありますし、故人の遺志等が無くても、香典返しの労力的負担を減らすことで故人とのお別れの時を長く取るという利点もあります。
香典辞退をすることは香典返しの省略になりますが、香典の辞退によって葬儀費用の負担が大きくなることでもあるので、通夜振舞と精進落としの有無についても喪主と遺族で話し合うことが必要です。

葬儀に招待する人への香典辞退の伝え方は、故人の訃報を電話あるいはメールなどで伝える際に香典辞退を明言あるいは明記することが一般的です。
とは言え香典を受け取らないことを理解できない親族などから苦情や文句を言われることも考えられるので、故人の遺志の場合はその旨を伝え、遺族の意思であるなら「誠に勝手ですが」等の言葉を使いましょう。

通夜・葬儀当日は、万が一の香典辞退の伝え忘れや香典辞退を伝えたにも関わらず香典を持参する参列者対策で、受付で香典辞退の旨を書いた看板を置いたり、紙を張り出すこともあります。
また香典辞退の旨は伝わっているはずなのに、どうしても受け取っと欲しいと香典を出されることもあるので、その場合に受け取るのか受け取らないのか、対応を喪主遺族で決めておきましょう。

家族葬の費用

家族葬の費用は四種類で
・家族葬パッケージブランの費用
・施設利用料
・飲食返礼品費用
・寺院費用(お布施)
になります。

家族葬パッケージプランの費用

パッケージプランの費用は葬儀一式費用とも言われる、葬儀に必要な物や道具一式や葬儀社員の労務費(サービス料金)を丸ごとセット料金としたものです。
家族葬プランは各葬儀社で様々な商品が販売されていますが「飲食返礼品費」と「宗教費用」が含まれない費用であって、さらに「施設利用料」は例えば10万円までなどの上限があります。
各葬儀社が販売しているプランは5~30名までの参列者のプランで税込み44万円前後~50万円弱が良く見られ、ゴージャス山盛り花祭壇プラン税込み約80万円などもあります。

飲食返礼品費用

ある意味変動品費と言えるのがこの飲食返礼品費用です。香典を受け取る場合は香典返しも必要になり、1個当たり1,000円~2,000円程度が目安になるでしょう。
香典を受け取る受け取らないに関わらず、通夜振舞いは一人当たり2,000円~3,000円、精進落としは一人当たり4,000円~6,000円あたりが相場です。
通夜振舞いと精進落としの有無と、香典の受け取り・辞退で葬儀費用が上下する部分と言えます。

寺院費用(お布施)

寺院費用は大きく分けて読経料と戒名料になりますが、この言葉は宗教者の前で発してはいけない禁句なので、総じて「お布施」と呼称します。
内訳的には、地方によって金額に違いはあるものの読経料が20万円~30万円、戒名料金は戒名の階位や宗派などによっても違いがあり、一番低い階位の戒名で10万円~最高位で100万円超まで様々です。
最近の家族葬では無償協形式にすることが多々あるので、寺院費用を割愛できればある意味100万円以上の節約に相当します。

施設利用料

施設利用料に火葬場の費用は含まれていないので実費を火葬場に支払うか、火葬場料金を含めて葬儀会社に支払います。
斎場内の式場を葬儀社が勧める部屋よりも豪華で格式ある部屋にした場合などについての、パッケージブランの斎場料料上限金額との差額は、葬儀社からの請求金額に加算されます。

・複数の葬儀社の見積もりを取る
複数社の見積もりは単純に葬儀総額の比較をする目的がありますが、葬儀社によって葬儀内容やパッケージ内で用意される物が違うので、必要な物に不足が無いか確認する為にも必要です。

家族葬の注意点

遺体の搬送先が葬儀社・斎場などでの預かり安置の場合、宿泊して故人に付き添い可能か、対面時間制限の有無と長短、元々対面不可能なのか、を確認する必要があります。
隣近所などに知られたくない場合、自宅安置は不可能です。
家族葬に呼ぶ人の範囲を決めるだけでなく、家族葬に招待しなかった人から苦情や文句が言われないような理由も必要です。
格安家族葬パッケージプランは意外なものが含まれていなかったり、例えばドライアイスが1日分だけとか搬送距離が10kmまでなどの不足があるので、複数の葬儀社の家族葬プランを比較する必要があります。
飲食返礼品費は変動費なので、葬儀に招待する人数によって葬儀全体の費用が変化します。

以上、家族葬の全体的な流れの解説でしたが、宗教宗派、居住地などにより内容は異なります。

家族葬のメリット

家族葬は少人数で執り行う形式の葬儀であり、無宗教形式にもできるので、意外なメリットがあります。

事前準備が軽減される

例えば多くの参列者を招待する一般葬の場合、遺族が会ったことも無い参列者の電話番号や氏名を把握するために故人宛に来た年賀状などを探し出して名簿を作り、多数の方々に葬儀の連絡をする必要があります。
ですが家族葬は元々多数の参列者を呼ばない葬儀であるので、顔を見知った何人かの親族に葬儀の連絡をすればよいという、事前準備の軽減が図れます。

参列者対応の軽減ができる

一般の弔問客を呼ばないか呼んだとしてもごく少数になるので、一般弔問客への対応に気を使うことも無く余計な労力を使うこともありません。よって遺族の精神的体力的な負担が少ない葬儀になります。

気遣いなくゆっくり最後のお別れができる

参列者の全部またはほとんどが遺族親族だけという葬儀なので接待に時間を取られないということは、故人との別れの時間を多く取ることができるので、周囲に気を使うことなくゆっくりお別れすることができます。

費用を削減できる可能性がある

小規模で執り行う葬儀なので、香典返しや飲食費などの変動費を小さくできる、あるいは通夜振舞いや精進落としをしない選択、無宗教葬にするなどで、葬儀費用の高騰を抑えることができます。

故人の個性が生きる葬式にできる

無宗教葬で宗教色を無くしたり、故人の好みの色の派手な生花で祭壇や棺を飾ることもできます。また、クラッシック音楽の生演奏を呼ぶこともできますし、故人が好きだったロックなどを演奏してもらうこともできます。

家族葬のデメリット

少ない近親者だけを招待して参列者に気兼ねすることなくゆっくり故人を見送るはずが、とんでもない目に遭うこともあります。

参列者選びが難しい

招待する参列者候補が多い場合は少数に絞る基準を考えることが難しくなります。一方で招待する人を絞ってみたら極端に数が少なく寂しい葬儀になることもあり得ます。

招待しなかった人からの苦情

家族葬という葬儀が理解できないこと、葬儀に呼ばれなかったことで阻害されていると誤解されていることの二点が重なることで苦情となることがあります。
まずは家族葬形式と言う葬儀と参列者を少数に絞る理由を理解してもらいましょう。

招待していない人が来る

家族葬の場合は、招待した人に葬儀の場所日時について決して口外しないことを徹底しておかないと、招待していない人が来てしまうこともあります。
この突然現れた人物が故人や遺族と仲が悪かったりすると、気兼ねない雰囲気にヒビが入るどころか、最悪大荒れの葬儀になることもあり得るので、注意が必要です。

無宗教葬にしたら激怒された

宗教離れの影響が葬儀にも表れるようになり無宗教葬も珍しくなくなりました。
それでも故人を見送るのに祭壇も宗教者も無しという葬儀は故人がかわいそう、と異を唱える人もいますし、故人をことを思うがあまりに怒るひともいるようです。

葬儀費用が高くなる可能性がある

家族葬と言っても例えば参列者数が30人い慈雨になるなどの多数で執り行うとして、香典を断り、通夜振舞いと精進落としもしっかり行った場合はかなりの持ち出しになることもあります。

葬儀後に弔問に来る

家族葬のようにある意味で葬儀に招待しない人を選ぶ葬儀の場合は、葬儀に招待されなかった人が葬儀後に自宅へ弔問に続々と訪れることがあります。

家族葬のまとめ

家族葬は参列者の人数を喪主遺族側が先に決められる葬儀で、家族や親族、仲の良い友人等、故人と親しかった人たちだけでゆっくりと穏やかにお別れができる葬儀です。
今では家族葬という言葉を耳にすることは増えていますが、宗教作法に則った形式や無宗教形式を選べたり葬儀の規模や進行手順などに明確な定義は無いなど、内容を自由に作り込むこともできる葬儀です。
実際に家族葬を執り行うことになった場合、苦情などを防ぐためにあらかじめ葬儀の内容や参列者を絞ることを理解し、説明できるようにしておくと良いでしょう。

故人の最後を飾る一生に一度の葬儀なので、悔いが残らないよう、葬儀社から資料を取り寄せて十分な比較をすることも大切です。