一般葬とは
一般葬とは、遺族親族などのいわゆる身内だけでなく、故人の友人や勤務先関係、自宅の近所の人や趣味の仲間など、故人と縁のある広い範囲の参列してもらう、大規模な葬儀です。
宗教者を呼んで宗教的手順をきっちりこなし、通夜の日と葬儀・告別式の日の二日間を使って執り行うが一般的で、多くは告別式の直後に火葬場で火葬と収骨を行います。
また、通夜の後には通夜振舞いとして軽食を振舞い、火葬の後には葬儀告別式をした斎場に戻って精進落としという会食の席を設けます。
葬儀の規模が大きくなることや宗教者を呼ぶことで、葬儀費用はそれなりの予算を用意が必要になりますが、反面、それなりの香典も集まる葬儀と言えます。
一般葬は、最近流行りだした小規模な葬儀や日数を短縮した葬儀などとは違う葬儀なので、しっかりした宗教的・社会的作法を重視する方に適している葬儀です。
参列者の幅が広くかなりの人数になるので、人付き合いの多い故人であった場合や、葬儀後も親戚関係や社会的な人間関係を維持したい場合などに向いている葬儀と言えるでしょう。
他の葬儀との違い
一般葬は、参列者の範囲を絞らないので大規模な葬儀になることと、一通りの宗教的手順を二日間かけて行う葬儀が特徴になりますが、他の葬儀と違いを紹介しましょう。
家族葬との違い
・通夜・葬儀告別式は一般葬と同じ
・遺族が参列者を狭い範囲で選び招待する
一日葬との違い
・通夜は無く、一日だけで葬儀告別式と火葬をする
・参列者は、ほぼ制限なく多数から家族葬同様まで様々
火葬式(直葬)との違い
・通夜も葬儀告別式も無い
・参列者は故人と同居していた遺族のみなど非常に少ない
一般葬に呼ぶ人の範囲は
一般葬の参列者は喪主遺族で決定しますが、故人が言い残したことや遺言書に参列者に関する意向ががあれば、その内容に従った範囲に絞ることが優先されます。
一般葬に呼べる参列者の範囲は広い
一般葬の参列者の範囲に規定はありません。実際は葬儀に使える予算などを考えながら喪主と遺族で決定するのが実情です。
葬儀に招く参列者は、遺族親族、故人の友人関係や会社関係、近所の付き合いのあった人、趣味仲間など、かなり広い範囲の様々な人を列挙することになるでしょう。
葬儀に呼ぶ親族
一般葬の葬儀の参列は誰を呼んでも構わないので範囲も広くなりますが、親族関係については無制限というわけにもいきませんので、ある程度の基準をもって絞り込むと良いです。
民法725条を照らすと、故人の親族とは
1.故人の六親等内の血族(個人と血のつながりがある人)
2.故人の配偶者
3.故人の三親等内の姻族(故人の配偶者の三親等以内の血族)
だそうです。なんかちょっと難しいですし、故人の血縁関係は六親等まで呼ぶ必要があるのか、と疑問になりますよね。
ですがこのように厳密に考えなくとも「親戚」付き合いがある間柄であればいいのです。
親戚は親族のように法の下の範囲が決められていない、家族以外の親族で、血縁や婚姻によって繋がりがある人を指します。
例えば、故人とちょくちょく会っていた近所に住んでいる配偶者の従姉弟は配偶者の第四親等に当たりますが、親族の範囲を外れたからと言って呼ばないわけにはいきません。
むしろ、故人に最後一目会って欲しいので是非葬儀に参列してください、と真っ先に訃報を知らせたいですよね。
一般葬を行える場所や会場
一般葬に限らず親族も参列者も満足できる葬儀を行うためには、どのような場所で挙行するかという場所や会場選びも大切になります。
葬儀に使う会場、六例の紹介です。
斎場は「葬儀場」「葬式会場」「葬祭会館」「葬儀専門式場」「セレモニーホール」など多種の言い換えがありますが、面倒なので主に「斎場」と統一して呼称します。
自宅(マンション)
ここでは一般葬の目安として50人以上の参列者を想定していますが、マンション、葬儀の参列とは言え短時間に何十名もの不特定多数の出入りは避けたいものです。
また、参列者がエレベーターを寡占することにもつながるので、マンションでの一般葬は避けるべきというよりも不可能でしょう。
大規模マンションなどで葬儀の挙行が可能な「集会場」などがある場合は、この限りではありません。
自宅(一軒家)
自宅で葬儀を行うことを「自宅葬」と言いますが、最近は一軒家での自宅葬はかなり少ないのだそうです。
故人が長年住んだ思い入れのある一軒家で自宅葬を考える場合でも、都市部の場合は道路にたくさんの人が溢れる可能性もあるので一般葬の自宅葬は避けるほうが良いでしょう。
地方の場合はある程度利便性がよく、大人数の参列があっても近所に迷惑が掛からないほどの土地の広さのある自宅でしたら、挙行しても問題無いと思われます。
寺院
下町にある小さなお寺から、極端に言うと例えば東京芝の増上寺のように2,500人もの弔問客が来ても挙行できる大規模なお寺まであります。
極端な例は置いておいて、寺院で葬儀を営む場合は予想弔問客数を鑑みながら、選んだ葬儀社・選んだ寺院と相談しましょう。
例え遺言などで葬儀を行う寺院の指定があったとしても、人数によっては挙行できないことを受け入れる必要があります。
斎場(民営)
斎場であれば大人数の一般葬でも挙行できます。斎場は市区町村が運営する公営と、葬祭会社などが運営する民営がありますが、圧倒的に数が多いのは民営です。
民営斎場の強みは、都市部であれば駅から行きやすい場所にあったり、地方などで車で行く場合でも多数の駐車場が用意されているなど、集まりやすい場所にあることです。
また、接客などの点でも民営の方が手際が良いとされています。
斎場(公営)
公営の斎場は民間斎場よりも数は少ないのですが、火葬場が併設してある公営斎場が多々あります。
火葬場併設の民間斎場を使えば、葬儀・告別式に参列いただいた方々をマイクロバスなどに乗せて火葬場まで往復する手間がありません。
持病がある、高齢など、バス移動なども体の負担になるような方の列席が多い場合は民営よりも公営斎場を先に探したほうが良いでしょう。
ホテル
ホテルは遺体の持ち込みと線香の使用が禁止なので、よくある葬儀というよりも社葬やお別れ会のでの使用になります。最近ではホテル葬という言葉も聞かれるようになりました。
また、弔問客が多すぎて公営や民営の斎場でも人数超過になる場合や、故人や喪主が有名人や政治家などでなどで必然的に葬儀が大規模になる人向けと言えるでしょう。
喪主の選び方
一般葬なのかそれ以外の葬儀形式かを決定する前に、葬儀の喪主を決めておく必要があります。喪主は葬儀の主催者で、葬儀会社や僧侶などの連絡役でもあります。
喪主以外に、葬儀費用を支払う役目の「施主」も選ぶこともありますが、近年では喪主と施主の区別が薄くなり、喪主と施主を兼任した人を「喪主」とするのが一般的です。
1.遺言や生前の意向に従う
喪主の決め方に法的な根拠はありませんが、まずは故人の遺言や生前に故人が発言していた内容に従い喪主を選定します。
故人の、喪主の指定に関する遺言などが無い場合は、以下の慣習に従うと喪主を選びやすくなるでしょう。
2.故人の配偶者
遺言などによる喪主の指定がが無い場合、基本的には故人の配偶者が喪主を務めます。
3.故人の直系の男性(息子)
故人の配偶者が先に他界している場合や病気や障害などで喪主を務められない場合は、故人の子供が喪主を務めるのですが、男性が喪主になることが多くなります。
4.故人の直系の女性(娘)
故人の配偶者が喪主になれない場合などでは、その次に息子が優先されるというものでもありません。
5.故人の両親のどちらか
子が親よりも先に他界した場合に両親のうち一方が喪主になります。
6.故人の兄弟姉妹
上記1~5のいずれも該当しない場合の、最終的な血縁として兄弟姉妹のうちだれか一人が喪主を務めます。
7.上記以外
故人に配偶者も血縁者も無い場合など、故人の知人友人が喪主になることもあります。
また、喪主の擁立が不可能だった場合は、喪主の代行として故人の後見人や住職などに決定することもあります。
喪主は断っても良いのです
喪主に選ばれたとしてもその時の健康状態や故人との生前の関係、遺族との今までや今後の関係などから喪主を引き受けられない場合もあると思います。
どうしても喪主になることができない場合は、その理由を簡潔に伝えて辞退を申し出るのがよいでしょう。辞退理由については故人や親族に対する配慮を忘れないようにすることが必要です。
一般葬・逝去日の流れ
ここからは逝去してから遺体の搬送、通夜・葬儀を終えるまでの流れについて解説します。
一般葬は、逝去日(危篤・死亡確認~打ち合わせ~葬儀の連絡)、第一日目(主に通夜)、第二日目(葬儀と火葬)に別れます。
臨終時~臨終直後
病院で亡くなった場合は臨終時に医師による死亡時刻の確認と死亡宣告があり、遺体の処置が行われると同時に死亡診断書が作成されます。
自宅での臨終(看取り)の場合は、かかりつけの病院へ連絡をし、かかりつけ病院が無いのであれば救急車を呼びます。自宅で他界した場合は遺体を動かしてはいけません。
自宅で他界した場合も医師による死亡確認があります。
近親への連絡(訃報)
訃報は故人の他界を、故人に極めて近い親族や故人との関係が深い人物など、限られた範囲内の人に取り急ぎかつ確実簡潔に伝える目的があります。
SNSの時代とは言え連絡手段は主に電話になり、連絡をする時間としては人が眠っている深夜になることもあります。
あくまで訃報であって葬儀の連絡ではない理由としては「火葬場を抑えられないと葬儀日程を決定できない」からです。
このサイトの管理人の母が他界したときは朝10時頃に葬儀社がに火葬場に電話したところ、6枠あるうちの第5枠が埋まっていて、ギリギリで6枠目を抑えられたのを思い出しました。
遺体の搬送
1.既に決まっている葬儀社がある場合は当該葬儀社に連絡して
2.まだ葬儀社を決めていない場合は病院紹介の葬儀社に
寝台車で遺体を搬送してもらいます。
3.死亡診断書を所持している遺族が自家用車で遺体を搬送することも可能です。
遺体の安置
故人が亡くなられて24時間は火葬できない法律があること、友引の日は葬儀を行わない慣例があることなどから、1日~2日の遺体の安置が必要です。
遺体は自宅に、または葬儀社の安置施設に搬送して安置します。
喪主の選出
先に書いた「喪主の選び方」をご参照ください。
葬儀社・僧侶と打ち合わせ
冷たいようですが、大切な人が亡くなっている悲しみに浸る暇はほぼありません。
葬儀の種類、日程、場所、内容、即日返礼の場合は返礼品について、その他葬儀の初めから終わりまで、予算を考えながら葬儀社と「短い時間で」打ち合わせなければなりません。
詳細に納得して葬儀社が決定したら、担当者に死亡診断書を預け「死亡届」「火葬許可証」などの手続代行を依頼します。
また、菩提寺に連絡して葬儀の相談をします。
葬儀の連絡
火葬場を抑えることができ葬儀社との打合わせで葬儀の日程と内容が決定したら、故人と最後のお別れをして頂きたい人全員に「葬儀の連絡」をします。
このときに弔辞をお願いしたい人や通夜の受付のお願いをしたい人への打診と依頼もします。
余談になりますが・・・
打ち合わせした葬儀社の言動や金額などが気に入らない場合は即座に断って構いません。他の葬儀社に変えた方がいいでしょう。
管理人が30代前半の時、母が病院で夜に他界し、病院から紹介された葬儀社の寝台車で母親を自宅(一軒家)に搬送しました。
移送が深夜だったので翌朝改めて訪問してきた葬儀社と、長男ということで喪主になった私と葬儀の打ち合わせをしのですが、内容が酷かったことに同席した叔母が気付いてくれました。
自分の場合は気が小さいので母が他界した翌日も気が動転していて、超上から目線のその葬儀社の担当者が出す数字を何の疑いもせず鵜呑みにしていたのです。
別室に私と妹を呼び出した叔母に、見積の杜撰さと金額の不明瞭さを突き付けてもらわなかったら、後悔が残る葬儀になったと思います。
その葬儀社には遺体の搬送料、ドライアイス料、車両使用料など合計数万円を支払い帰ってもらい、母の葬儀は見積もりなどに納得して決めた地元の葬儀社に一任しました。
葬儀社全てを悪く書くつもりはありませんが、短時間の葬儀の打ち合わせは、葬儀社からすれば「打ち合わせと称した”営業成績”の時間」でもあることを認識しておいた方がいいということです。
特に身内が他界して情緒が不安定な喪主だけが葬儀内容や金額などの交渉をするのはお勧めできません、必ず冷静な身内も同席して金額交渉をすべきです。
一般葬一日目:納棺から通夜の流れ
通夜と通夜振舞いで多くの参列者を迎えるので、通夜開始直前から超多忙になります。通夜が終了するとすぐ帰宅できるのではなく、翌日の打ち合わせは必須です。
納棺
納棺は原則的に故人の配偶者・孫・子供などの近親者と、場合によっては故人と厚い親交のあった人物のみが立ち会う、通夜前に1時間~2時間をかけて行う儀式です。
多くは納棺は通夜当日の、通夜の直前に行われます。また、通夜以後は目まぐるしい程の忙しさになるので、故人とゆっくり顔を合わせることができる最後の機会になります。
納棺は「末期の水」→「湯灌」→「死化粧」→「死装束を着せる」というような順番があり、最後に遺体を棺に移して副葬品を納め、棺の蓋を閉めて終了です。
納棺された遺体と一緒に斎場に移動します。
受付
通夜開始の1時間前が受付開始時間の目安です。
受付・芳名帳の案内・香典の受取り・簡単な会場案内・返礼品の当日返しの場合は返礼品の引き渡し・会計と、受付と言ってもその業務は多岐にわたります。
受付は故人と少々遠縁の親族に依頼することが多く、親族が遠方から来る場合などで依頼が難しい場合は、喪主の会社の同僚、町内会の人、友人知人に依頼します。
受付と会計係は弔問客の人数によっては増やすことになります。また予想弔問客数に応じた芳名帳の用意も必要です。
通夜・読経・焼香
通夜は告別式前日の午後6時か午後7時に開始することが一般的で、遺族や近親者は通夜開始前1時間前には集まり、弔問客を迎える体制を整えます。
通夜開始時刻より早く来る弔問客もいますので、遺族や親族は通夜開始時間の15~30分前には着席しておくとよいでしょう。
予定時刻になり、僧侶が斎場の葬儀会場に入場すると、通夜が始まりまり、20~40分ほどの僧侶の読経がありますが、読経開始後15分から遺族、親族、弔問客の順番で焼香が始まります。
通夜振る舞い
通夜の後、別室での食事会が通夜振舞いです。 通夜振る舞いは単なる食事会ではなく、故人を偲ぶ最後の食事の意味と僧侶や弔問客に対する(喪家からの)感謝の意、の意味があります。
本来の通夜はその名の通り夜通しで行われる儀式でしたが、生活様式の変化に伴って通夜全体の所要時間が短縮化されています。現在によくある1~2時間程の通夜は「半通夜」と言われます。
通夜終了と打ち合わせ
通夜振る舞いの時間が終わって弔問客が帰ると、斎場での遺族の集合と準備→通夜→通夜振舞い。の約3時間に渡る全体的な通夜の終了です。
遺族はこの全体的な通夜の終了後に、翌日の葬儀・告別式、精進落としの列席人数の打ち合わせや準備をして帰途につきます。
一般葬二日目:葬儀・告別式の流れ
葬儀は宗教的儀式で告別式は社会的儀式です。火葬をするので故人の姿を見られる最後の日でもあります。
葬儀・告別式
葬儀・告別式の後に続く火葬に時間を要するため、葬儀・告別式は午前10時から11時に開始します。
開式から遺族や親族の焼香までが「葬儀」で、遺族や友人知人が故人の冥福を祈り葬るという意味があり、僧侶が中心となって弔う宗教儀式です。
(遺族親族の焼香の後から始まる一般参列者の焼香から閉式までが「告別式」という喪主が中心となって行われる社会的儀式で、故人の棺を参列者全員で囲み棺の中に花を納めます(別れ花の儀式)。
初七日
本来は故人の他界後七日目に改めて近親の親族が集まって行う儀式ですが、生活様式の変化により初七日法要を葬儀・告別式当日に行うことが増えました。
初七日法要を告別式後に繰り込む(葬儀→告別式→初七日法要→火葬)「繰り込み法要」と、火葬直後に斎場に戻ってから行う(葬儀→告別式→火葬→初七日法要)「繰り上げ法要」があります。
出棺
故人と最後のお別れが済んだら棺の蓋閉じ、男性の遺族・親族6人で棺を持ち、故人が家に帰って来ないようにするという意味で、遺体の足の方から寝台車に乗せることが重要です。
喪主は位牌を、喪主の次に深いつながりの親族が遺影を持ち、喪主が葬儀・告別式に参列した人たちに挨拶をし、火葬場に行く人と留守番役として斎場に残る数名の人に分かれます。
火葬場併設の斎場の場合は僧侶を先頭にした移動となることが多いでしょう。
火葬
火葬場へ着くと火葬炉の前に棺を置き僧侶が読経をし、故人と遺族との最後の別れとなる「納めの式」を行います。納の士気が終わると棺を火葬炉に入れて火葬が開始されます。
火葬が終わり骨上げができるようになるまでの約1~2時間は控室での待機時間です。
骨上げ(こつあげ)
火葬後に遺骨を骨壺に納める「骨上げ」です。火葬後のお骨の周りに遺族が集まり、お骨を箸で拾って骨壺の中に入れていく儀式です。
拾うお骨の部位としては歯から始まって最後に喉仏の順に、二人一組を交代しながら二つの竹箸で一つの骨を拾い上げ、順次骨壺にお骨を入れていきます。
骨上げが終ると火葬場の係員が骨壺の蓋を閉めれるので、受け取った骨壺を白木の箱に入れ、白布で包み(または骨覆を被せて)、喪主が持ちながら火葬参列者と一緒に火葬場を後にします。
精進落とし
精進落としは遺族が僧侶や参列者を労う目的で行いますので、僧侶が一番の上座、次に友人知人、さらに親族の順に座り、喪主は入り口近い末席の着席になります。
通夜終了後までには精進落としの列席人数が決まっていることもあり、参列者一人一人につき個別の御膳を用意し、故人について歓談して頂くのです。
一般葬の費用相場
一般葬の費用は「葬儀一式の費用」「会食費・会葬返礼品などの費用」「お布施」に分かれ、単価や階級・人数などで変動します。
「一般葬の平均費用は〇〇〇万円です!」と断言できないのが実情です。
葬儀一式の費用
葬儀を行う土地柄や風習、葬儀社の傾向などで差異があるものの、約100万円前後から200万円前後になるようです。
一般葬の葬儀そのものの費用は、通夜振舞い・精進落とし、香典返しなどの返礼品といった「人数によって変動する費用」と読経や戒名の「お布施」以外の、葬儀の費用です。
内訳を列挙すると
・斎場の使用料、火葬料
・祭壇や棺、位牌遺影の費用
・司会や葬儀社担当者などの人件費
・寝台車や霊柩車など遺体の運搬費用
ざっくり書くとこんな感じですが実際はもっと細かく決めます。
例えば、搬送費・ドライアイス・枕飾り・後飾・納棺料・祭壇(白木祭壇・神式祭壇・花祭壇・選んだ祭壇の大きさ…)案内看板・収骨容器・その他多数の項目を見積もるのです。
一般葬の場合の「葬儀一式」費用は、逝去当日も含めて合計三日に渡る葬儀で、その間に行う様々な儀式を短縮化したり端折ることをしないので、他の簡略化した葬儀より高額になります。
会食費・会葬返礼品など
「会葬御礼」は通夜や葬儀の参列者に対する返礼品で、選ばれるのは500円~1000円ほどの範囲の消耗品です。
通夜振舞いは一人2,000円~3,000円の範囲、精進落としは通夜振舞いより豪華になるので一人4,000円~5,000円程度になります。
「香典返し」は「当日返し」の場合は2,000円~3,000円の品物を選ぶことが多く、四十九日(忌明け)後に発送する「後返し」の場合は包んで頂いた香典金額の3分の1から半額の金額を選びます。
また、多額の香典を頂いて当日返しの返礼品の金額では見合わない合は、後返しを追加して頂いた香典の金額に見合う形を取ります。
お布施
お布施の金額に決まりは無く、感謝の気持ちで渡すものとされていますので、お寺や僧侶から具体的な金額を提示されることはほぼありませんが、お布施には相場があります。
お布施の内訳は大まかに読経料と戒名料に分かれる(他に御車代や御膳料をお渡しする場合もあります)のですが、居住地域や宗派に戒名の階級よって差異があります。
「読経料」は20万円~30万円が多く、「戒名料」は戒名の階級によって様々で、「信士・信女」の相場が30万~40万円、高位の「院居士・院大姉」になると100万円を超えるようです。
「読経料」と「戒名料」この二つの言葉は不快であったり禁句としている寺院もありますので、二種類の合計金額を「お布施」として渡しましょう。
実際の金額は葬儀社の担当者が教えてくれますので、葬儀の見積もりの時点で聞いておきましょう。
一般葬のメリット
一般葬は故人の様々な関係の人に参列して頂く葬儀形式なので、故人の生前の広い人間関係を網羅して見送りたい場合にお勧めです。
また、宗教儀礼やその土地の風習やしきたりなども重視しますので、親族もその他参列者も葬儀内容に疑問を抱くという心配は少なくなります。
一般葬はとにかく多くの方を招くという側面もあるので、訃報の連絡をしなかった人が葬儀後に自宅の弔問に訪れ、来訪の度に対応する負担を抑えられます。
近親者のみの参列に絞り込んだり、祭壇を設置しないなどの簡素化に気を遣わず、弔問を断る必要もさほど無いので、多忙な反面比較的気持ちが楽な葬儀です。
一見葬儀費用が高くなる一般葬ですが多数の参列者から頂く香典があるので、簡素化して参列客を呼ばず香典が無い葬儀と比較して最終的な支出が低くなることもあり得ます。
一般葬のデメリット
逝去日を含めて最低でも合計三日間の葬儀日程で多くの儀式をこなし、たくさんの弔問客を迎えるのでとにかく多忙ですが、喪主の役目を近親の親族に分担してもらうことで大幅に軽減できます。
多くの方に来ていただくということで、連絡漏れが無いようにする作業が大変であり、また通夜当日は、たくさんの弔問客への対応もかなり大変です。
弔問客への対応で追われるので、通夜開始以後精進落としが終わって帰宅するまでは気が張り詰めたままでしょう。
一般葬の葬儀費用はどうしても高額になりますので、頂いた香典の総額によっては大きな支出になります。
大分長文になりましたが、一般葬の葬儀全体三日間について大まかな例です。葬儀全体の流れは宗教や地域によってもかなり異なりますので詳細は葬儀社に確認願います。